盛衰
皆様には、しつこいと言われようが、今日も旧友のBarについてである。
前回お話ししたが、閉店当日は通常店員40名のところ50名を超える大盛況であった。
その招待客の一人に小生の学生時代の先輩で、約30年間実家も徒歩数分という事もあって、非常に懇意にして頂いている方で、
当日は典型的な浪速のお坊っちゃまという表現がピッタリあてはまる遊び方をされていた。
元々生家がミナミで酒屋を営まれており、バブルの頃にはマンションを一棟と駐車場を所有され、不労所得にて家族を養い自分も又毎日の様に夜の街で豪遊しておられた。
十数年前、不動産価格の下落により賃貸収入が落ち込みバブル期に建てたマンションの借入金の返済が追い付かずコンビニエンスストアの経営を奥様と始められた。
その間も豪遊はおさまらなかったと聞いている。
そしてとうとう全ての不動産を手放し長期ローンでマンションを購入したのであった。
そして閉店当日久し振りにお会いした先輩は、トリプルロックのバーボンウィスキーを3杯、簡単に飲み干し酔いつぶれてしまった。
結局小生が家迄送る事となり、その帰り道2年前に別居、ローンで購入したマンションは売却したと聞いた。
小ぢんまりとした賃貸マンションに1人で帰る寂しそうな先輩の後ろ姿を見ながらふと思った。
同級生が集うBarが閉店し順風満帆であった30年来懇意とされて頂いている方の現状を直視した今、
人とお金。去ってからありがたさが改めて分るのであると。
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