新旧スチールカメラ/デジタルカメラ/交換レンズ-トキワカメラ

不惑の友

以前にも述べたと思いますが、昨年卒業式以来の同窓会を企画し開催した。

その準備段階において、小生も微力ながらお手伝いをさせて頂くにあたり、

いく度かの会合にも加わり、名簿作りや案内状の作成等や200名程の同級生の生息を一人一人確認する為に4カ月を要した。

長い年月を埋めるには、4カ月が長いのか短いのか判らないのだが、

結局7割程の同級生との連絡が取れ、当日90名余りの出席者を募れることとなった。

その過程において、すでに他界されている方が数人おられた。

その方々の中で一昨年の12月に肺ガンで亡くなられた方がおられた。

大学を卒業後ずっと東京で仕事をなさっていたそうで、在阪組である私たちにはその実家を知るすべもなく、その事実を知るや一同の顔は驚愕の表情となった。

彼は小生とは別の小学校を卒業し、中学一年で小生と同じ組で、出席番号が小生の一つ前ということで、頻繁に会話を交わした間柄で、

彼の学問と学校行事に対する勤勉さ、友人・先生に接する誠実さ姿勢や態度、

中学校の模範となる容姿等を尊敬の念をもって、小生は彼の後ろから見ていたものだった。

お互いにそれぞれ別の高校に進み再開したのが18歳の夏を過ぎた府立図書館でのこと。

短い会話を交わした。

内容はお互いの大学受験の健闘を誓ったものであったと記憶している。

病名の告知を受けてから、亡くなる迄数か月しかなかったと聞いている。

その事実は奥様と実兄にしか伝えず、ご両親には気苦労を掛けたくない一心にて、他界する一週間前迄本人の意思で一斎伝えなかったそうである。

なんと気丈で全くブレない意志を持っているのだと。

数日前別の友人からこの話を聞いた時、改めて彼の凛たる振る舞いに感服した。

30数年ぶりの同窓会で小生が会って近況を話し合いたい同級生の1人であた。

彼の生涯においてのほんのわずかな時間を共有した事で、今もなお小生に感銘を与えてくれ、今後の方針を示してくれたように思える。

彼のご冥福をお祈りすると共に感謝の意を表したい。